Kさんが九州に出張した時のことです。残暑が厳しく、最寄の駅からホテルまでは数分の道のりでしたが、汗だくでホテルのフロントに到着しました。

汗を拭きながら手続きを終えると、フロント係りの女性から「K様、ただいま部屋の確認をしておりますので、少々お待ちください」と告げられました。

早くチェックインをしてシャワーを浴びたいと思っていると、先ほどの女性が事務所から戻ってきました。そして、「冷たいウーロン茶です。よろしかったら召し上がってください」と、Kさんにカップを渡したのです。

そのカップには、「K様への力水です」という文字が、手書きで黒々と書かれていました。Kさんは思ってもいなかった心づかいが嬉しくて、その後、出張時にはこのホテルを定宿にしました。

普通に仕事をしていれば、普通の仕事しかできません。Kさんは、相手の様子を敏感に察知し、対応することの大切さを学んだのです。

ひと味違った工夫を編み出すために、心と頭を鋭敏にさせていきましょう。

 

『職場の教養』より