嬉しい時には笑い、悲しい時には泣く。それが人としての自然な感情表現ですが、人間の歴史はさらにそれを上回る表現の仕方を見に付けました。

例えば、ドイツには「にもかかわらず笑い」という言葉があります。『厳しいにもかかわらず』『嫌であるにもかかわらず』笑うことが大切だというのです。

新しい職場に異動したAさんは、早く仕事を覚えなければと、張り切って仕事に臨んでいました。しかし叱責続きの毎日に、いつしか気力も萎え始めたのです。

そんな時に、上司から「無理にでも笑顔を作ることが、仕事を早く覚えるコツだ」と教えられました。「暗く沈んだ顔でいては、『こんな人間とは一緒にやっていられない』と、仕事のほうから逃げていくぞ」と脅かされたのです。

自分の表情から笑顔が消えていたことに気づいたAさん。それからは、きつい時ほど笑うことを心がけました。すると仕事への意欲や集中力が高まっていったのです。Aさんは笑いの必要性を身をもって実感しました。

苦しい時や辛い時こそ、「にもかかわらず」笑ってみようではありませんか。

 

『職場の教養』より