岩手県の吉塚公雄さんは、自生する草だけを飼料とした酪農を実施しています。

また、この牧場では極力、人の手をかけない酪農法に徹しています。ある日の明け方、出産の始まった牛がいました。しかし見守るだけで、誰も手伝いません。

ほどなくして、いとも軽々と仔牛が生まれました。母親に体を舐められつつ、仔牛は何度もチャレンジした後に自分でしっかりと立ち上がりました。

この牧場の「手をかけない」経営姿勢は、多くの根気が求められます。しかしそこから生み出された新鮮な製品が、多くの消費者の賛同を得ているのです。

見学に来た地元の小学校の生徒が、「こんなにおいしい牛乳は初めて飲んだ」と、新鮮な牛乳の味に歓声をあげました。

仕事の回転は決していいとはいえないだけに、過ぎた利潤は望めませんが、敢えてそれを貫いています。利潤にも勝る充足感がそこにはあるからです。

今はスピードが重視される時代だけに、かえって堅実で誠実な仕事が強く求められます。手間隙を惜しむことなく、お客様の満足度を追及していきましょう。

 

『職場の教養』より