浮き沈みの激しい芸能界で、五十年以上も第一線で活躍する伊藤四郎さんは、次男の孝明さんが芸能界に入る時に、①スタッフと仲良くしない ②リハーサルに台本を持たない ③時間を厳守する という三つの約束をかわしました。

①の「スタッフと仲良くしない」に関しては、「芸能界は大勢のスタッフのお陰で成功する、そのような尊敬すべき人たちと、馴れ馴れしくするのは失礼である」と伊藤さんは強調します。

②の「リハーサルでは台本を持たない」ことは、「台本を見ながらリハーサルに臨めば、監督の目線と番組全体のイメージが分からなくなる」との理由です。

台本が手元にあると、相手役とも台詞のやり取りや間の取り方がわからなくなるという欠点があるのです。③の「時間厳守」は、社会人としての基本です。

三点に共通するのは、必要に応じた緊張感を維持することの大切さです。「いざ」という時に実力通りの力を発揮するためにも、日頃から緊張を保つ姿勢を習慣化したいものです。

 

『職場の教養』より