英文学者でお茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古氏は、思考を生み出す上で大切なのは「寝させる」ことだと言います。

氏は、「長い間、心の中であたためられていたものには、不思議な力がある。寝させていたテーマは、目をさますとたいへんな活動をする」と言うのです。

『いいアイデアだ』と思っても、一晩たって見直してみると、それほどのことはなかったということがあります。

逆に一定の期間、寝かせることによって新たな気づきやアイデアが生まれ、さらにより良いものに結びついたというケースもあります。大事なことは、物事を仕上げるためには、それを熟成させる時間を持つということでしょう。

中には、すぐに報われない企画・計画もあります。そんな場合でも、結論を急がず、焦らず取り組んでいけば、やがて日の目を見る時機が来るものです。

一つのことが仕上がったからといって安心せず、しばらく「寝させる」ことを習慣化したいものです。そうした中から確実な仕事が生まれるのです。

 

『職場の教養』より